誰もがシアワセを感じられる組織を増やしたいと願う筆者が人と組織について考えていること、感じたことなどをまとめています。

数値で評価できない仕事

公正な評価指標を導入したいがために、あらゆる仕事を数値化しようとする会社に
遭遇することがあります。

例えば、サービス業の場合。

顧客からのクレーム対応にマニュアルを導入している企業は多いですが、
そのマニュアルを作成するためには、過去に起きているクレームが基盤となっています。

もし、マニュアルにない初めてのクレームに直面した場合は、どうなるでしょうか?
クレーム対応の経験が豊富なベテラン社員であれば、マニュアルになかったとしても、
上手く対応できるでしょう。

では、こうしたときの対応をどう評価すればよいのでしょうか?
この成果を数値で測ることはできません。

クレーム処理件数や、顧客との応対時間など数値で評価することだけを重視していると、
難しそうなクレームは、他の人に回してしまうという、たらい回しが起きる温床とも生り得ます。


例えば、製造業の場合。

多くの仕事が機械化されているとはいえ、人間にしかできない仕事もたくさんあります。
職人と呼ばれる人の勘は、経験によって磨かれるものであるならば、
これも一つの職能と言えるかもしれません。

ラインに流れてくる同一商品の一つを取り上げて、「何となく、こいつはおかしい」と感じて、
品質検査に出す。検査で異常を感知できる不具合は、機械に任せることができますが、
過去に起きたことがない不具合は、機械で異常を感知できるわけがありません。

ただ、こうした判断能力は漠然としているため、定義づけは困難です。

定義できないものを、何%達成できたなどと数値評価しようとすることは、この上なく難しい。
それでも、評価をするのであれば、こうした職人の勘を理解しており、見抜くことができる者、
すなわち同じ職人の勘を持ち合わせた人間が評価するより他なりません。

評価者訓練で、実践できるようになる類のものではないのです。
こうしたことは、どのような業種の仕事にも存在しているのではないでしょうか。

数値化できない仕事の裏には、その仕事を支えている人材が存在している。
こうした人材を数値化にこだわらず、評価しようと努力する姿勢こそが、
本当に会社を良くする人事制度ではないでしょうか。
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