前回からの続きで、彰制度を機能させるポイントについて書いています。
前回は、表彰者や表彰部署の根拠を明確にして、それを説明することが
大切であると書きました。
なぜなら、
表彰制度は、
承認欲求を満たすことを通して、組織を
活性化させるために導入されているわけですから、「何を評価したか」について、
従業員が理解し、今後の目標設定への意欲を刺激する必要があります。
表彰根拠が不明瞭だと、表彰された人も、単に「嬉しい」と感じて、終わってしまいます。
場合によっては、なぜ自分が表彰されたのか、分からないということが起こります。
これでは、
表彰制度の効果はありません。
人事評価基準が不明瞭なのに、目標設定をしなければいけない状態と似ています。
ですから、表彰の基準や選出根拠を明らかにしましょう。
さて、ポイントの二つ目です。
2.外的動機ではなく内的動機を刺激する。
表彰制度が機能不全に陥る理由の一つは、マンネリ化です。
一例を挙げると、褒賞のマンネリ化です。
例えば、優秀な業績を挙げた従業員を表彰する際、その証として賞金を
渡すことがあります。
表彰制度が導入された初期は、賞金獲得というモチベーションが刺激されて、
意欲的に仕事に取り組む人も出てくるでしょう。
しかし、人はお金だけに動機付けされて働くわけではありません。
また、賞金獲得が動機付けとして機能していた従業員の中でも、
そのうち賞金額に不満が出てきます。
盛り上がりに欠けると感じた会社側は、賞金額のUPを検討します。
そして、しばらくは少し盛り上がりますが、再び賞金額をUPするのは、
時間の問題です。
結局、これでは、きりがないということです。
もちろん、営業活動を活発化させる目的で、賞金をぶら下げると、
必死に走る従業員が多いという企業は、そうした動機付けで構わないと思います。
ただ、注意点は、マンネリ化の恐れがあるということです。
そこで、賞金のような外的動機づけではなく、内的動機を刺激する
表彰制度が求められます。
例えば、心の報酬すなわち、会社や周囲からの賞賛を重視するということです。
周囲からの賞賛が、表彰者の
承認欲求を満たしてくれます。
それこそが、大きな報酬であるという考え方です。
表彰状やトロフィーなどは、表彰者に「周囲から賞賛された」事実を忘れさせず、
時々、思い出させるために有効なツールになり得るでしょう。
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